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  出会いがあれば別れもあるが、偶然、また出会うこともある。一期一会って言葉があるが、二度目に期待しても、別に誰も、構いはしない筈。また会いたい人って、誰にでもいるだろう?

  

  今日も、プロンテラの空は青く、日差しが心地良く、眠気を誘う。草原に寝転んだ俺は、ボーっとした瞳で、遊んでいる二人組の男女を見ていた。

 一人は、背の高い、白髪の青年サイス。もう一人は、背の低い、茶色のおさげの女の子クィン。二人は、サイスのペットである、ルナティックのアルを構って、遊んでいるらしかった。

 あの、ゲフェンでの出来事の後、クィンは聖職者見習い(アコライト)になった。そして、彼女は俺達と、行動を共にすることが多くなった。サイスが彼女のことを気に入っていて、また彼女のほうも、サイスを気に入っているようだ。二人は仲の良い兄弟のように、暇な時は、こうして二人で遊んでいる。

・・・心配は、もういらないか。

 「・・・何か、考え事ですか?アッヅ」

 「ん?ああ、少し、な」

長く、赤い髪を揺らしながら、ウィザードの女性が横に座った。彼女、イティスもまた、あれ以来、一緒に行動することが多くなっていた。

「まあ、たいしたことじゃあない」

「ふうん・・・」

 何か納得いかなそうな表情だったが、聞くのは諦めたようだ。

 「それよりアッヅ、そろそろお昼にしませんか?」

 「ふむ、そうだな・・・。よし。・・・二人共!飯にしよう!」

 俺の呼び声に気付き、二人はこちらへと歩いてきた。その間に、俺はカートから、大きめのバスケットを取り出す。その中には、ランチボックスが入っていた。

「・・・お腹、空いた」

そう呟きながら、サイスは俺の前に座り、その横にクィンがちょこんと座った。

俺はランチボックスを取り出し、蓋を開ける。

中身は、色々な具が入ったサンドイッチ。それと人数分の瓶のミルク。今日は、あまりに良い天気だったので、皆でピクニックに来ていたのだった。

 「うわ、美味しそう・・・」

全員で、いただきますと言った後、一人一人が、好みの具材を手にとり頬張る。

「うん、美味しい・・・」

イティスがそう言って、俺の方を見た。微妙に、信じられないといった感じの表情だ。

「まあ、そう言って貰えると、作った甲斐はあるが・・・何か言いたそうだな」

「いや、何か悔しくて」

・・・どういう意味だ。

考えながら、俺は自分の分を口に入れた。うん、まあ出来は悪くないな。

「でも、アッヅさん、本当料理上手ですよね~」

クィンは、ミルクを片手に、微笑みながら言った。二人のこういう反応は、いつもと違って新鮮な感じだった。その横で、サイスは淡々と、無表情のままサンドイッチを口に運んでいる。こちらは、俺にとってはいつも通りの光景ではある。

「うん・・・アッヅは料理得意・・・モグ」

言いながら、サイスはやはりサンドイッチを食べ続けている。細い身体をしている割に、サイスは割と健啖で、俺はいつも、料理の量を多めに作るようにしていた。一応、サイスも俺の料理は気に入ってくれてはいるらしく、残したことは全くない。作る方からしたら、とても有難い。

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